とるちゅのおと

コトノハノチカラ

2016-07-13から1日間の記事一覧

「鹿踊りのはじまり」について

この物語の語り部である「わたし」は、眠っているときにこの話を風から教えられたとしている。「狼森と笊森、盗人森」が岩手山の巖を介して語られたように、風が語ったことを「わたし」が読者に語るという二重構造になっている。 嘉十はおぢいさんたちととも…

「月夜のでんしんばしら」について

「子供」である恭一は、鉄道線路の横の平らなところをすたすた歩いている。月の光が確かに感じられるほど暗くなっているのに、そのような危険な線路沿いを、「あかり」によってまるで大きなお城にも見える停車場に向かって、すたすた歩いている。つかれても…